10.バリアフリー新法 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律

2006年12月より施行された「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(通称:バリアフリー新法)」は、公共交通機関を対象にした「交通バリアフリー法」と商業施設を対象にした「ハートビル法」を統合して内容を拡充させたものです。

◆法律の概要

この新法の目的は、建築物や交通施設について、それらをつなぐ経路は整備の対象から漏れ、移動が困難なままのケースが見られたことから、一体的にバリアフリー化を推進することにあります。

また、バリアフリー化の促進に関する国民の理解・協力を求める「心のバリアフリー」を国(地方自治体)や国民の責務とし、施設設置管理者が講ずべき措置として、乗車・利用拒否の発生を防止し、円滑なコミュニケーションを確保するために計画的な研修、マニュアルの整備などによる職員教育を一層充実させるよう努めるべきと定められています。

1 対象者の拡大
従来は身体障害者だけでしたが、新法では「障害者」と規定され、身体障害者だけでなく、知的障害者、精神障害者、発達障害者と、すべての障害者が対象となりました。

2 対象物の拡大
従来は建物や公共交通機関だけでしたが、新法では、それらに加え、道路や屋外駐車場、都市公園と、日常生活で利用する施設を広くとらえ、生活空間全体におけるバリアフリー化を進めることとしています。

3 重点整備地区要件の拡大
従来は、大きな鉄道駅などがある地域のみを移動等の円滑化を図る重点整備地区とし、基本構想を作成することができるとしていました。
新法では、それに加え、駅がない地域や、建築物、屋外駐車場、都市公園、そしてこれらをつなぐ経路なども、基本構想や特定事業の対象とされました。

4 当事者の参画
利用者の視点を反映させるべく、

  • 基本構想作成時の、協議会制度の法定化
  • 利用者や地域住民からの基本構想提案制度の創設
が図られました。

5 ソフト施策の充実

  • バリアフリー化の推進に当たって、当事者参加の下、施策を検証し新たな施策や措置を講じて段階的・継続的な発展を図っていくという「スパイラルアップ」という手法が採りいれられ、これは、国の責務とされました。
  • 新法では、バリアフリー化に関して国民の理解と協力を求める「心のバリアフリー」が規定されています。

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